2023年4月13日(木)に現場改善ラボは、オンラインイベント『IMPROVE~品質向上~』を開催しました。お申込みが2,000名を超えた本イベントでは、さまざまな専門家/企業講演をお届けしました。

本ページでは『儲かるメーカー改善の急所110項』著者の柿内 幸夫氏による「『儲かるメーカー改善の急所110項』から解説する品質管理」の講演をギュッと凝縮して皆様にお届けします。

本レポートでは、解説いただいた急所を全てお伝えしきれないため、本セミナーの見逃し配信も併せてご覧くださいませ。

Webセミナー「『儲かるメーカー改善の急所101項』から解説する品質管理」

改善は誰のために行う?

こんにちは。改善コンサルタントの柿内幸夫と申します。

今日はこの「儲かるメーカー改善の急所110項」から著者である私が、品質管理に関わる項目を抜き出してじっくりとご説明したいと思います。どうぞよろしくお願いします。

まず1番目の改善の急所ですが「誰のために行うか」です。工場でのあらゆる活動はお客様からのご要望に応えるために行っています。現在は変化のスピードが速く、過去の成功が将来の成功を保証しないため、変化に敏感で改善を続けることが重要です。工場でのあらゆる活動はお客様からの要望に応えるために行われるべきであり、お客様のニーズを理解することが大切です。

過去にはプロダクトアウトの時代があり、作れば売れる状況でしたが、競争が激しくなりマーケットインの時代に変化しました。現在はユーザーインの時代で、ユーザーの視点から商品開発やサービス提供が求められています。日本はトヨタ生産方式のような効率的な生産方法を発明し、ジャパンアズナンバーワンと言われるようになりましたが、今の時代ではジャストインタイムで効率的に生産しても売れなくなっており、儲からない時代が到来しています。

講演映像の切り抜き

現在はユーザーインの時代で、お客様が何を欲しがっているかを考え、それに基づいて商品を作る時代が来ています。これまでの日本の製造業は改善力を活かし、高品質・低コスト・短納期で競争力を持っていましたが、これからはQCDだけでは競争できなくなります。自ら市場を発掘し、商品企画から生産・販売までを短時間で行う必要があります。社長や工場長を中心に、全員が関わる時代が到来しています。

ピータードラッカーは「総力結集の時代」と言い、組織の優劣は人々が信じられない成果を上げるかどうかにあると述べています。改善は一人で行うものではなく、みんなで一緒に取り組むことで、経営を変えていくことが求められています。

Webセミナー「『儲かるメーカー改善の急所101項』から解説する品質管理」

基本中の基本を徹底する

改善の急所2番目です。「基本中の基本を徹底する」ことが重要であり、そのために16のキーワードを暗記し理解することが求められます。これらのキーワードには、動作経済の四原則、動作改善、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)やトヨタ生産方式の7つのムダが含まれています。

動作経済の四原則とは、距離を短くし、両手を使い、動作数を減らすことを目指し、作業者が楽に作業できるようになることを目指します。これを実践することで、生産性や品質が向上します。

講演映像の切り抜き

5Sの整理整頓清掃清潔しつけは、使用しないものと使用するものを分け、使用するものを使いやすく整え、清掃し、整理整頓清掃を維持し、それを会社の文化として浸透させることを目的としています。

トヨタ生産方式の7つのムダとは、つくり過ぎ、手持ち、運搬、加工そのもの、在庫、動作、不良品を作ることで、これらを理解し改善に取り組むことで競争力を向上させることができます。

コンサルタントは、これらのキーワードを暗記し理解することを求め、現場での改善をサポートしています。暗記だけでなく理解し、現場でそれらが気になるようになることが望まれます。それにより、改善案が次々と思いつくようになり、問題解決がスムーズに進むでしょう。結局、基本中の基本を徹底し、16のキーワードを暗記し理解することで、現場での改善力が高まり、生産性や品質の向上につながるというわけです。

会社を変える改善

急所24では、会社を変える改善についてさらに詳しく見ていきましょう。

講演映像の切り抜き

会社を変革する改善には、大きな効果のある目立つ改善だけでなく、従業員全員が参加して取り組む小さな改善も重要です。小さな改善が積み重なることで、組織全体の効率や働きやすさが向上し、結果的に大きな効果を生み出すことがあります。

具体的には、「チョコ案」という取り組みを導入することで、真似を奨励し、良い改善が広がるようにします。真似することを積極的に評価し、褒める文化を作り上げることで、従業員同士が良いアイデアを共有し、全員が改善に取り組む環境が整います。また、改善提案制度をシンプルにすることで、改善案を気軽に提案しやすくなります。改善前後の状況と提案者の名前だけを記録することで、手軽に改善活動ができるようになります。

さらに、簡単な改善案も積極的に取り入れることが大切です。例えば、マジックのキャップを取りやすくする工夫や、USBの差し込み口に色分けシールを貼ることで間違えにくくする工夫など、些細な改善でも効果がある場合があります。

このような取り組みを通じて、従業員全員が改善活動に参加し、自分たちの職場をより良い環境に変えることができます。会社を変える改善は、全員が関与し、一人ひとりが取り組むことで効果が倍増し、組織全体の成長に繋がります。

捨てることで知恵が生まれる

講演映像の切り抜き

急所82。使わないものを捨てる理由として、捨てることで知恵が生まれます。捨てたことを反省し、新たな標準を作り出すことができます。また、整理された空間で新しいアイデアが生まれやすくなります。散らかった倉庫を整理し、空いたスペースで内製化が可能になると、コスト削減や納期短縮、在庫減少などの効果が期待できます。

これらの急所を理解し、現場改善に取り組むことで、生産性の向上やコスト削減、新規事業の展開など、企業全体の成長につながります。標準化を適切に実践し、クレーム対策や設備ラインの最適化を行い、ものづくりの流れを追求することが重要です。また、空間を有効活用し、不要なものを捨てることで、知恵やアイデアが生まれる環境を整えましょう。これらの取り組みが、結果として企業の競争力を高めることになります。

ものづくり改善に終わりなし

最後に、最強のものづくり改善に終わりはありません。世の中が変化し続けるため、常に敏感でいなければなりません。改善の心には5つの要素があります。

  • 固定観念はすべて捨てよ。
  • すぐにやれ。言い訳は無用。
  • 金で逃げるな。知恵で勝て。
  • 真因をつぶせ。「なぜ」五回。
  • 改善に終わりなし。今が最低と思え。

私は柿内幸夫の現場改善研究所というYouTubeチャンネルを運営しており、わからないことがあればいつでもアクセスして解説を見ることができます。今日は改善の急所を中心にお話ししましたが、他の本も参考にしました。ご参加いただきありがとうございました。

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